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スターバックスの取り組み、特徴まとめ|スタバは非の打ち所がない素晴らしい企業なのか?

 スタバがどんどん増えている。その勢いは今でも衰えることなく、店舗数はチェーンカフェのなかでぶっちぎりの1位だ。

 しかしスタバが日本で増えることについて、どうも違和感を感じてしまう。しかしその違和感をうまく言語化することができない。ひとまずスタバ関連の本を読み漁り、そしてスタバの特徴や取り組みを羅列してみることにした。まとめたものが本記事だ。

コーヒー豆の品質のこだわっている

 スタバのコーヒーに美味しいというイメージはない。それは日本のコーヒーのレベルが高いからでもある。日本人はブルーマウンテンやキリマンジャロといった最高級のコーヒーを求める人が多く、また昔から挽きたて淹れたてコーヒーが飲める喫茶店や、焙煎所を兼ねた喫茶店がたくさんある。スタバが上陸した1996年には、すでにドトールコーヒーがそこらじゅうにあり、美味しいコーヒーが150円で飲めた。そういった環境にある日本においては「スタバはコーヒーにこだわっている」と言われてもピンとこないだろう。

 しかしスタバが本拠地アメリカでオープンしたときは状況がまったく違っていた。スターバックスが一号店をシアトルでオープンさせたのは、1971年のこと。それまでのアメリカは、大手コーヒー会社が価格競争をしており、品質は二の次の劣悪なコーヒーばかりだった。

 コーヒー豆には大きく分けて、ロブスタ種とアラビカ種の2つがある。このうちロブスタ種は病気に強く栽培がしやすいのだが、風味が劣る。1960年代のアメリカでは、この質が劣るロブスタ種を使用するのが当たり前だった。しかも、抽出したあとのコーヒーを何時間も放置し、煮えきったコーヒーを提供するのが一般的で、ブラックのままではまずくての飲めないため、多くの人は砂糖をドバドバいれていた。

 コーヒーはまずいという常識を覆したのが1971年にシアトルでコーヒーの販売所としてオープンしたスターバックスだった。本物のコーヒーを提供するという理念から、病気に弱いが風味が豊かなアラビカ種の豆だけを使用。自社で焙煎所をもち、丁寧に焙煎した豆を販売していた。途中カフェをはじめてからは、コーヒーの抽出の仕方にこだわったし、古くなったコーヒーは提供しないようにしている。

 今でこそ当たり前である高品質のコーヒーは当時は当たり前ではなかった。常識を覆し、コーヒー業界を席巻したスターバックスの登場は、セカンドウェーブと呼ばれた。砂糖をドバドバ入れないと飲めないようなコーヒーと比べたら、スタバの品質にこだわったコーヒーは美味しいに決まっている。

 今でもスタバは豆の品質管理にこだわっており、スペシャルティコーヒーという、品質管理に配慮したコーヒーに与えられる称号を取得している。また店舗で提供するコーヒーの質を保つために、店舗は基本的に直営だ。直営店をだせない例外的なテナントのみフランチャイズで運営している。

なぜスタバのコーヒーは不味いといわれるのか

 そんなコーヒーにこだわったスタバではあるが、SNSやブログなどで美味しいという話は聞いたことがない。スタバの解説本ではさも当然のように絶賛されているのだが、ネットでそんな意見はまったく目にしない。本題からそれるが、スタバのコーヒーがまずいと言われる理由を調べてみたので、3つ紹介してみる。

 まず理由の1つは深煎だからというものだ。つまり好みの問題であるということ。コーヒーは焙煎によって味が大きく変わる。浅煎りならさっぱりした口当たりの柔らかい味になるし、深煎りだと苦くて濃い味になる。スタバのコーヒーは「イタリアンロースト」と呼ばれる、深煎りのなかでもかなり深い焙煎度であり、ドトールやサードウェーブ系のコーヒーに比べてかなり濃く、匂いも強い。この濃い味になれていなくて、美味しくないという声が多いのではないか。そんな意見が多い。

 スタバのコーヒーがまずいもう2つ目の理由は、豆が劣化しているから。スタバは以前まで、アメリカの焙煎所で焙煎したものを日本に輸入していた。コーヒー豆は基本的に、焙煎した瞬間から劣化していくと言われている。スタバは豆の劣化を遅らせるパッケージを開発したとしているが、アメリカから何日もかけて運ばれていることに変わりはない。

 一方で、日本の個人系の喫茶店は、地元の焙煎所から仕入れた焙煎したてのコーヒー豆を使っているお店も多い。大手チェーンのドトールですら、朝焙煎した豆を店舗に納品しているという。焙煎したての豆を使うのが当たり前の日本の喫茶店に比べれば、焙煎から時間がたったスタバのコーヒーは、当然、味が落ちる。ゆにえ美味しくないと感じられるのかもしれない。

 3つ目の理由は、欠点豆という、欠けたり腐敗したりした豆を取り除かずに使用しているのが、美味しくないと感じる理由なのではないかというものだ。そのように解説しているブログがあった。欠点豆があっても品質に影響はないが、雑味の原因になる。しかし欠点豆を取り除くとのは時間も手間もかかるし、なにより使える豆が減ってしまう。スタバは欠点豆を取り除かず、使用しているから、他店に比べると味が劣るのではないか、そんな意見もあった。
※参考:スタバのコーヒーが"まずい"理由

 筆者はスタバでコーヒー豆を購入したことがあるのだが、割れている豆が多くて驚いた。後日、別のチェーンカフェで「某チェーンカフェで豆を購入したが割れている豆が多かった」と相談してみたら「ちょっとそれは微妙ですね……あのカフェですよね」という回答をもらった。具体的な回答は得られなかったが、微妙なのだろう。

コーヒーの香りを大切にしている

 スタバほど店に入った瞬間、コーヒーの香りがするお店はなかなかない。

 コーヒーの香りはCEOのハワード・シュルツがもっとも大切にしていることだそうだ。それは彼がイタリアのカフェで体験した、コーヒーの香りに包まれる空間が印象的なものだったからだそうだ。

 CEOのハワード・シュルツは本物のコーヒーの香りにこだわっており、使用する豆は、香料が添加されていないものに限っている。またスタバで働くスタッフには香水の使用を控えさせているというし、匂いが強いフードも置いていない。そして何より禁煙を徹底している。

匂いが強いフードを置かない

 スタバのフードはほぼすべてが作り置きであり、なおかつ常温、もしくは冷蔵だ。これはフードの匂いでコーヒーの香りが台無しにならいようにするためだと考えられる。

 以前、朝食用にサンドイッチを販売したことがあったそうなのだが、CEOのハワード・シュルツは、サンドイッチから放たれるチーズの匂いがコーヒーの香りを邪魔しているとしてメニューを撤去したそうだ。フードメニューに冷めたものが多いのは、コーヒーの香りを楽しめということなのだ。そしてそのこだわりによって、多くの人が愛してやまないスタバの空間が作られているわけだ。

 ピザトーストやカレーやら匂いが強いメニューを当たり前のように置いている日本の喫茶店からすれば、仰天もののこだわりだ。

完全禁煙なのは香りを大切にするため

 スタバの最大の特徴と1つといえば完全禁煙だ。

 2020年4月から店舗の禁煙化がいっきに進み、多くのカフェが完全禁煙になっているものの、日本のカフェは、まだまだ喫煙ブースを置いたり、電子タバコのみ可としたりするお店ある。スタバはその点において安定しており、1つの例外もなく禁煙だ。

 実は、スタバの1号店は分煙だったそうだ。アメリカのスタバは完全禁煙だったそうなのだが、タバコとコーヒーはセットという日本の喫茶店文化に配慮し、日本では分煙でスタート。しかしやはりタバコの匂いがコーヒーの香りを損なうとして、徐々に喫煙エリアを狭くし、最後には完全禁煙にした。日本におけるスタバの3号店からは完全に禁煙になった。

 ちなみにドトールは、タバコを吸う人も吸わない人もコーヒーを楽しんでほしいという思いがあり、分煙を貫いている。その代わり喫煙と禁煙の部屋を完全に区切り、そして喫煙室の煙が絶対にもれないように空調を調整したという。

 スタバが喫煙者を排除し快適空間をつくった一方で、ドトールの空調を調節し吸う人も吸わない人にも快適空間を作ることを目指した。喫煙者が出入りするだけでタバコの匂いは充満してしまうので、なんとも言えないが、喫煙者を切り捨てないドトールの心意気は評価できる。

 店舗の禁煙化が進んだ現在、多くのお店が完全禁煙になったが、一度スタバに慣れてしまった客が、わざわざ別の店を選ぶこともないだろう。

内装、空間づくりにもこだわる

 先の、コーヒーの香りを守るために匂いが強い物を排除するという取り組みも空間づくりの1つに入る。

他にもスタバは、

  • テーブル席やカウンター席、ソファー席など色々なタイプの席を配置する
  • 店内の配色はリラックスできるものに
  • 店内BGMにもこだわる
  • 基本的に長居しても注意されることがない

などなど店内の様々な部分に配慮し、快適な空間を作り上げている。

 もちろん内装や空間へのこだわりは他のカフェでも当たり前のように行っている。とくにドトールのこだわりもスターバックスに負けていない。

 スタバは日本に上陸当時、従来の日本のカフェのイメージとして定着していた、男臭さやタバコ臭さを排除した。それまでの日本のカフェにはなかった、クリーンでスタイリッシュな配色とデザインの店だったので、スタバは女性から支持され、不動の人気を手にした。

スタッフの教育に力を入れている

 スタバを分析した本は、とにかく人材への言及が多い。『スターバックス流 最高の育て方(毛利 英昭)』という、スタバの人材教育に焦点を当てた本が出版されているほどだ。

 スタバのスタッフの特異性については、スタバを利用したことがある人なら誰もが体験していることだろう。たとえば聞いてもいないのにおすすめのコーヒーやフードを提案してくれることがあるし、メニューについて質問すると時間をかけて丁寧に解説してくれる。筆者は一度、Tシャツのデザインを褒められたことがあった。

またスタバ関連本では、
「開店前から並んでいたら、開店時間の10分前から店を開けてくれた」
「閉店時間後だったけど、店を開けてくれることがあった」
「飲み物について質問したらサンプルつきで丁寧に説明してくれた」
などなど、スタバ店員の粋な対応がことごとく紹介されている。

 ドトールやベローチェ、コメダならそんな声がけはほぼありえない。スタバのその親切を通り越した優しさは、熱狂的なファンを産む一方で、アンチを生み出すこともあるほどだ。

充実した研修と5つ行動指針

 ちなみにスタバのあの接客にはマニュアルがないらしい。基本的な業務マニュアルはもちろん存在するが、接客にマニュアルはなく、スタッフたちは自発的にあのような接客を行っている。

 なぜ自発的にあのような接客ができるのか。その理由について多くの本では、80時間の新人研修と5つの行動指針にあるとしている。

 スターバックスに採用されるとまずは80時間の研修を受けることになる。その研修では、コーヒーの知識とスタバの理念について教育されるそうだ。またそのときに教えてもらえるのが、以下の5つの行動指針だ。

  1. 歓迎する
  2. 心を込めて
  3. 豊富な知識を持つ
  4. 思いやりを持つ
  5. 参加する

 これら研修と行動指針によってスタバのスタッフは自発的に動くのである、とビジネス書では説明される。教育に関して詳しく知りたい方は、
『なぜ、スターバックスは日本で成功できたのか(草地真)』
『スターバックス5つの成功法則と「グリーンエプロンブック」の精神(ジョセフミケーリ)』
などをご覧になってほしい。

 筆者は、スタバの店員の親切な対応には、もう1つ別の理由があると考えている。それはスタッフ内に流れる空気だ。

 スタバではまわりのスタッフが全員が、あのスタバ的な対応をしているのだ。当然、自分だってそうせざるをえない。そういった空気感のなかでは、「いわれたことだけやっていればいいんでしょ」という受動的な態度では、居心地が悪くなってしまう。そもそもスタバの採用試験を受けるということは、スタバのスタッフに憧れがある、もしくはスタバの接客に肯定的であり、自分も同じようなことがしてみたいと思っている人だ。そういった人なら、研修など受けなくても、自発的にホスピタリティを発揮していくだろう。

顧客と同じくらいスタッフを大切にする

 スタッフの教育に力をいれるのは、CEOのハワード・シュルツの「良質なスタッフがいなければ、素晴らしい体験を顧客に提供することはできない」という強い思いがあるからだ。だからスタバはめちゃくちゃスタッフを大切にする。充実した研修があるのもそのためだし、アルバイトにも福利厚生や昇給のチャンス、ストック・オプションを用意している。

 現在の日本のスタバは上場を廃止したので、まだストック・オプションが維持されているかどうかはわからないが、アメリカのスタバはストック・オプションによって得た株で、大金を手にする人もいたという。

社会貢献、環境配慮、地域貢献にも積極的に取りくむ

 スタバ関連の本や、ネットの情報からスタバ批判を展開できそうな材料を探そうとしたが、驚くほど見つからなかった。とにかくスターバックスは社会的であり、倫理的な企業であるよう思える。優等生なのだ。その取りくみついて具体的に紹介したい。

フェアトレード、環境配慮などサステナビリティに抜かりがない

 コーヒーショップが負うべき社会的責任のわかりやすいものといえば、フェアトレードと、オーガニック栽培などの環境配慮であるが、スターバックスは両方に抜かりなく取り組む。

 スターバックスではフェアトレードの認証を受けたコーヒー豆を購入している。

 またコーヒーの生産者だけでなく、配送業者、輸出業者などのいわゆるサプライチェーンにも注意を払う。スターバックスに関わる業者が、倫理観を持って事業に取り組んでいるかを、第三者機関をつかってチェックしているのだ。たとえば、店舗に豆やフードを納入する配送会社が、違法労働を課している場合、その業者の利用をやめるというわけだ。

 環境問題にも積極的だ。チェーンカフェのなかでいちはやく紙のストローを採用し、また紙のカップも環境に配慮したもを独自開発した。コーヒー豆も、環境を破壊しない生産方法を採用している業者を選んでいる。オーガニックという言葉はつかっていないが、農薬の使用量を低減し、土壌にも配慮しているようであり、オーガニックに近いものだと考えられる。

これらの取り組みは「C.A.F.E. プラクティス」という独自の指針を設けて、第三者機関により評価している。

C.A.F.E. (Coffee And Farmer Equity) プラクティスと名づけられた購買ガイドラインの指針は、労働環境の改善、児童労働の規制をはじめ、土壌侵食や汚染防止などの生物多様性の保全に対する取り組みを含めた包括的かつ測定可能な基準です。

スターバックス公式サイト

 コーヒーの生産者だけでなく、加工業者、買付業者、配送業者など、スターバックスに関わるすべての企業に対して倫理的であることを求める。それがスターバックスという企業であり、とにかく抜かりない。

 もちろんこれらの社会貢献活動は上辺だけのものかもしれない。利益拡大のための戦略的社会貢献なのかもしれないし、一部には優秀なコーヒー農園を囲い込んでいるという批判もある。

 それでも、上辺だけの社会貢献活動だったとしても、日本の他の大手カフェよりは随分ましだ。日本の大手チェーンカフェをみると、そのコーヒー豆が公正取引(フェアトレードなど)によるものなのか、環境に配慮(オーガニックなど)して生産されたものなのか、それらが具体的に記載されているものはほとんどない。記載があったとしてもほんの数行程度で、スタバには遠く及ばない。ゆえに上辺だけの社会貢献活動だったとしても、日本企業よりはましである。

出店地域に最大限配慮する

スターバックスといえば、場所によって店舗のデザインがガラッと変わることで有名だ。実はお抱えの店舗デザイナーがおり、出店する地域の景観や文化、歴史に配慮した上で店舗デザインを決めている。

たとえば池尻大橋にあるスタバは、キーカラーである緑すら排除して、周囲の景観にとけこんでいる。溶け込みすぎてスタバかどうかわからなかった。

また時には地域のデザイナーと協力することもある。たとえば中目黒にあるスターバックスリザーブロースタリー では、日本の建築家である隈研吾が設計を担当した。

池尻大橋店

スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京 中目黒

 スターバックスが新たな街に出店する際、その地域にもともとある飲食店やカフェから「グローバル企業のスタバが個人店をつぶしにきた」という批判をうけることもあるという。そういったときでもスタバは真摯に対応する。その地域のカフェを一軒一軒まわり、スタバがどんな企業であるかを説明し、不安なことがあれば1つ1つ伺い、改善できることは一緒に改善していくのだそうだ。つまり、地域のお店とWIN-WINになれるようにスタバが努力するのだ。

 また中国の北京に初出店したときは、地域の住民から様々なバッシングがあったという。それは単にアメリカのグローバル企業を批判するような声もあったというのだが、そのときも住民の批判に真摯に向き合い認められる店づくりをしていったという。

 このようにスタバは、グローバルチェーンでありながら、個人店のごとく、いや個人店以上に地域に寄り添った店作りをしている。まったくもって非の打ち所がない。

過去にスターバックスがバッシングされた例

 スターバックスのポジティブな側面がばかり紹介したので、ネガティブな面も紹介したいと思う。しかしここで紹介する例は、海外の例であり、またすでに一応の解決をみせている事例である。

 バッシングを受けた1つの例は、2013年頃におきたイギリスにおける租税回避問題。これはイギリスのスターバックスが、98年に事業を開始してから、30億ポンド(約4500億円)の売り上げがあったが、納税額はわずかに860万ポンド(12億9000万円)であり、利益を計上した年はわずか一年間だったという事実から、バッシングの対象になった。

 これはスターバックスは、海外法人間で資金のやりとりを行うことで、イギリスにおける収益をないものとし、租税を免れていたと疑われている。当時は不買運動も起きた。この件に関してスターバックス側は赤字続きだったからと弁明。結局、英国税制当局との間で「2013年、14年の2年間、自発的に1000万ポンドの税金を英国政府に対して支払う」ことで合意になった(参考:英キャメロン首相を激怒させたスタバ 国家vs.多国籍企業の租税戦争が始まる)。

 また2018年にはアメリカのスターバックスにおいて、男性2人が注文をしないまま友達を待っていたところ、店長が2人を不法侵入で通報した。その2人が黒人だったことで人種差別だとしてバッシングを浴びた(参考:米スタバ謝罪、友人を待っていた黒人男性逮捕 人種差別の批判受け)。この件について、スターバックスは2人に謝罪し、また8千店舗を一時閉鎖してスタッフの研修を行ったという。

 スターバックスにおける国際的なバッシングは上記2つの問題くらいだ。日本のスタバがバッシングの対象になったことはない。先に紹介した海外の2つの事例を引き合いにして、スタバ批判を展開することもできるが、それらの問題に対してスターバックスは、研修を実施するなどして真摯に向き合った。「記憶にありません」と誤魔化したり、証拠をシュレッダーにかけてしまう日本の政治家、記者会見で頭を下げるだけで満足している日本の大企業とは大違いだ。

 他の大企業、グローバル企業と比べると、スターバックスの存在は輝いてみえる。批判を材料を見つけてやろうとスターバックスについて調べるが、そうするとスターバックスが社会的で倫理的な企業であることがわかり、批判の対象からは遠ざかってしまうのだ。

【おわりに】スタバに対する説得力のある批判が存在しない

 スタバについて分析や本やブログを読みあさったが、スタバの存在について、説得力のある批判は今のところ1つも見当たらなかった。「コーヒーがまずい」や「気取った雰囲気が嫌い」「いつも混んでいる」といった批判は存在したが、これらは正直、好みの問題である。

 NIKEやAmazon、マクドナルドのような、グローバル企業にあるお決まりの批判があるのかと思えばそれもほぼなかった。

 スターバックスに対する説得力のある批判がほぼ皆無なのは、スターバックスは非の打ち所がない素晴らしい企業だからなのだろうか。そして、その存在や店舗が無尽蔵に増えていくことに対しては、両手を広げて歓迎すればいいのだろうか。

その答えはいまだにわからない。

参考書籍

  • スターバックス5つの成功法則と「グリーンエプロンブック」の精神 THE STARBUCKS EXPERIENCE. ジョセフ・ミケーリ, 月沢李歌子, ブックマン社)
  • スターバックス 輝きを取り戻すためにこだわり続けた5つの原則 (日本経済新聞出版)ジョゼフ・ミケーリ, 小川敏子
  • ストーリーでわかるスターバックスの最強戦略 浅沼宏和
  • なぜスターバックスは日本で成功できたのか 草地真
  • スターバックス成功物語 ハワード シュルツ, ドリー ジョーンズ ヤング, 小幡 照雄, 大川 修二
  • 日本スターバックス物語 はじめて明かされる個性派集団の挑戦 (早川書房 梅本 龍夫
  • 戦略は「1杯のコーヒー」から学べ! (中経出版) 永井孝尚
  • ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記 (日経ビジネス人文庫)
  • なぜ気づいたらドトールを選んでしまうのか? 上坂徹