「哲学ってなんだか難しそう」「興味はあるけどとっつきにくい」
そんなイメージを持っていませんか?
僕も哲学には興味があって、書店や大学の図書館で哲学の本を手に取ったことがあります。
しかし、理解できない言葉のオンパレードで、10秒ほどで本棚に戻した記憶があります。
そもそも哲学は、「生きることは?」「存在とは?」みたいな抽象的な話をあつかうので、分かりにくいということはあるのですが、別の理由があったんです。
実は哲学者は、わざと分かりにくい難しい言葉を使って哲学書を書いていたのです。
哲学者はわざと難解な言葉を使っていた
難しいことを分かりやすく伝えてくれる池上彰さんは本当に素晴らしい。
しかし、哲学者には「難しいことを分かりやすく伝える」なんていう親切さはありません。
実は哲学者は、一般人には理解できないように、わざと難しい言葉を使っていたのです。
以下は、18世紀の哲学者「カント」の著書からの抜粋です。原文をそのまま日本語訳したものですが、何をいっているのかさっぱり理解できません。
悟性概念は、多様なもの一般の純粋な綜合的統一を含んでいる。また時間は、内感における多様なものの形式的条件として、従ってまたおよそ表象が結合させられるための形式的条件として、純粋直観においてア・プリオリに与えられた多様なものを含んでいる
しかも偶然、難しく言葉づかいになってしまったのではなく、わざと難しい言葉づかいをしていたのです。
分かりづらい哲学を、分かりやすく解説した本、「(推定3000歳の)ゾンビの哲学に救われた僕(底辺)は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。」から引用します。
実は哲学の世界には、「難しいことを難しい文章で表現することこそが素晴らしい」という嘆かわしい通念がはびこっておるのじゃよ。
<中略>
あえて難解な表現を選んで使い、自分で新しい哲学用語を作り出し、「読者に伝える」というよりも「自分の思想ステージの高さをアピールする」ための本になってしまっておるのじゃ。
つまり、哲学者は広く一般的に自分の考えを伝える気なんてなかったわけです。
わざと難しい言葉を選んで、「頭いいやつだけ理解してくれ」「オレって頭いいでしょ!」とアピールしていたわけです。
そりゃ理解できるわけがない。
現在、書店で販売されている哲学入門書も、同じように分かりづらい言葉を使っています。入門書なのに……。
哲学は、
「世界はぜんぶ5分前にできたんじゃね?」
「自分以外はぜんぶ存在しないんじゃね?」
みたいな面白い考えを教えてくれるものです。人生の役に立つことはもちろんあります。
「難しいことを分かりやすく」なんていう池上彰さんのような精神を持っている人が哲学の世界にいれば、哲学はもっと一般的になっていたのかもしれません。
こちらは、は難しい哲学をあえて分かりやすく解説した本です。
哲学の興味のある方は、このようなわざと分かりやすく書いた本で、哲学を学んでみてください。